めばえ3月号「今年を振り返って」園長 原田京子
2023年02月24日
今年を振り返って
園長 原 田 京 子
三寒四温という言葉の通りに、寒い日と温かい日を繰り返しながら、少しずつ春の近づきを感じられるようになりました。子ども達が植えたチューリップの球根も土の中から芽を出し、日に日に伸びて大きくなってきました。はだかんぼうで寒そうだった、銀杏や桜の木も木の芽が少しずつ膨らんで、春を迎える準備が始まっているようです。
幼稚園は入園されてから卒園されるまでの間、幼稚園教育要領に基づいた良善幼稚園独自の教育課程により保育をしています。また、年間の指導計画、月ごとの月案、そして、毎週の週日案を立てて子ども達の成長を見守っています。その週日案は、週の始めに、今週の予定と、先週の反省の2枚を園長が目を通すことになっています。この反省を読むと、そのクラスや学年、預かり保育での子ども達の日々の様子がドキュメンタリーを見ているように私の中に広がっていきます。友だちと協力してうまくいった時みんなで喜んだ様子もあれば、友だちとのトラブル発生から、それを互いに乗り越え、友だちとの絆が深まった様子もあり、そこに担任の先生の感動も加わり、子ども達の成長を嬉しく思う喜びも書かれています。また、うまくいかない時の葛藤や悩みも含まれていて、毎日のドラマが読み取れるのです。締めくくりの3学期は、子ども達の成長についての記述が多く、読んでいるだけでも嬉しくなることが多いです。自分の事だけでなく、友だちのことを褒め、認め合う様子や、年長さんに憧れ、目標とし、少しずつ近づいていく年中さんの様子、できることが増えてきた、年少さんやひよこさん、それぞれの成長が見られてとても嬉しいです。
年間を通して記録されていたのが「お店屋さんごっこ」のことでした。春、こすもす組さんが、花壇の花を植え替える時に始まったお店屋さんごっこ。楽しそうな様子から、すぐに、幼稚園中に広がり、どのクラスでも趣向を凝らした商品ができ、他のクラスに宣伝して買いに来てもらったり、口コミで「○○組で、□□が買えるんだって」など伝わっていき、それは今でも続いています。また、買いに来るのが難しいお友だちのためにと、ついには「移動販売」まで登場したほどです。幼稚園全体で、およそ1年間続いたお店屋さんごっこ、盛大にではなく、細々とではありましたが、子ども達の工夫が随所に見られ、関わり合い、認め合えたとても楽しい遊びでした。
コロナ禍にあり、以前のように人と触れ合う機会を設けられなかったり、密を避けるため隣のお友だちと離れて過ごす等々、本来であれば、子ども達の生活に欠かせない大切なことが環境の中に備えることができないことを心苦しく思う日々でした。そんな中でも友だちのことを大切に思い、お休みしている人のために祈ったり、困っている人に「どうしたの?」と声をかけ、涙が出ている人に寄り添うことのできる子ども達は、本当に、神さまに喜ばれる「良い子」、幼稚園の名前の由来の通り、「善き行いをする良い子」達です。今年度も後、1ヶ月…、「ありがとうの花」が幼稚園でも、ご家庭でもたくさん咲きますように。