めばえ9月号より「夏休みの宿題」 園長 原田京子
2022年08月29日
夏休みの宿題
園長 原 田 京 子
まだまだ気温の高い日もありますが、吹く風や空の雲に少しずつ秋の気配を感じるようになりました。暑さを象徴するかのように鳴いていたセミもいつの間にか、秋を知らせる虫の声に変わりました。夏休みの間、元気に過ごされましたでしょうか。日に日に感染者数が増え、医療体制がひっ迫し、特別警報が発出されたことで、夏休みの予定を変更されたり、預かり保育を希望しておられましたが、登園を自粛された方もありました。今日から2学期が始まります。それぞれが感染対策を徹底し、日々楽しく過ごせますようお祈りしています。
1学期の終業式の時、子どもたちに「宿題」を出しました。テーマは「お手伝いをしよう」でした。「どんなお手伝いをするかは、お家の人と相談して決めてね」と伝えましたが、お話が出たでしょうか。自分の思いや考えを相手に伝わるように言葉にするのは簡単なことではありません。ましてや初めて会った人や、緊張する場面などでは尚更難しくて、自分の思いなど言えないで過ごしてしまうことの方が多いかもしれません。そこで、遠慮なく自分の思いが伝えられる大好きな家族と一緒にいる時に、自分の思いを言葉にして伝えたり、相手の話に耳を傾け、心を寄せて折り合いをつけることができる経験をしてもらいたいと思っています。家族の中で、話し合う経験を積み、そのことが、幼稚園でお友だちや先生との間でも、自分の思いが伝えられるようになっていくように思います。そこで、どんなお手伝いをしようかと決める時にも話し合って決めてもらえたらと思ったのです。お子さんの話を聞いて、「お母さんは、こう思うけど、○○ちゃんはどう思う?」等々、小さい時から自分の考えを伝えたり、相手の気持ちを聞こうとする態度が身につくことを願っています。「聞いてもらえた経験」は、自分も「聞こう」という姿勢に繋がっていくことでしょう。夏休みの宿題として伝えましたが、結果はご家庭に委ねます。結果はどうであれ、その気持ちやプロセスが大事です。この宿題は、形として残るものではないことの方が多く、目には見えませんが、「助かったよ、ありがとう」の一言が、お子さんの心の成長につながっていくことでしょう。
9月になると、運動会に向け準備が始まります。「みんなと力を合わせる」ためにも話し合いを繰り返し、「心を一つに」練習に取り組んでほしいと思っています。応援しています。