めばえ7月号より「つながって」園長 原田京子
2022年06月24日
つながって
園長 原 田 京 子
子ども達の大好きな遊びの一つに「お店屋さんごっこ」があります。品物を売るお店屋さんと買い物をするお客さんに分かれて遊ぶだけでなく、遊びながら、子ども達の発想でいろんな役割がうまれ、分担していきます。その様子は見ている私達も本当に楽しいです。自分の思いを友達に伝え、「いいね!」「そうしようよ」なんて言われると、得意満面の笑顔で、準備を進めていきます。自分のことを認めてもらうと、友達の意見にも耳を傾け、「今度は、そうしようよ」と、素敵な関係がつながっていきます。同年齢同士はもちろんのこと、異年齢混合クラスの中でも、それぞれの学年の良さが発揮し合える遊びです。教師が意図的に始める時もありますが、子ども達から自然に始まる時もあります。今年は、こすもす組のある出来事からお店屋さんごっこになり、つながっていった様子をお知らせします。
それは、クラスの花壇を夏の花へ植え替えしようとしていた時のことです。お花を摘んで小さな花束にしていました。その可愛らしい花束をお家の人へのおみやげにしようという話も出ていたそうです。それでもたくさんできたので、お花屋さんをしたらどうかということになり、お店屋さんが始まりました。今までの経験を生かして、進めていく先輩たちの熟練した様子を見逃さないように見つめる真剣な眼差しの新人さん達。一つ一つの「言葉」や「行動」を吸収しようとしている様子がよくわかります。役割分担が、どんどん決まり活性化していきました。「○○組の人も呼んでくる!」と営業に出かける人もあれば、「ポスターもいるよね~。よく見える所に貼っとかないと…」等々。そうこうしているうちに、花壇の花はすっかり売り切れてしまったのですが、お店屋さんごっこを楽しんでいる子ども達の想いは上り調子です。すぐに、他の商品を考え出し、空き箱やいろいろな材料を使って品物を作り始めました。「年長さんが描いた絵」を塗り絵として売り出すなど世界に二つとない逸品も並びました。お客さんが来なくなると、お金を作って配り、買いに来てもらうという秘策まで登場しました。大満足のこすもす組さんを見て、お客さんになっていた他のクラスの子ども達の心に火がつきました。「僕たちもやりた~い‼」と、隣りのあじさい組でも「あじさいカフェ」がオープンしたり、少し離れた棟のすいせん組でもお店屋さんが開かれ、すずらん組さん達もせっせとお金を作って、買い物に出かけています。お土産にしてお家に持って帰る頃には、原型をとどめていない物もあることでしょう。楽しかった様子を察していただければ嬉しく思います。子ども達の発想から遊びがつながっていったり、友達とつながっていくのが嬉しいですね。