身近な自然の不思議発見

                                             園長  原 田 京 子

♪いちごを摘みに 行きましょう 小さなかごを用意して いちごを摘んだら食べましょう 甘くて美味しい いちごです♪

 ケロポンズさんのとても可愛いこの歌、畑に行くときについつい口ずさんでしまいます。梅雨入り前の初夏はとても爽やかな季節ですね。新しい環境にも慣れてきた子ども達の元気な声が園舎内に響いています。子ども達は安心して過ごせるようになると行動範囲が広がって、周りの事柄に目が向き、今まで気がつかなかった事を見つけては喜んで、先生や友達に知らせている姿をよく見かけます。子ども達の周りには不思議がいっぱいです。初めて見るもの…手を伸ばして触ってみようかどうしようかためらう瞬間、一人でなく、友達と一緒だったら、安心してチャレンジできたりしますね。園庭の銀杏の木の下にはたくさんの虫たちが集まっています。それに気がつくと、大発見したように友だちを呼んで来て、一緒にしゃがみ込んで、それぞれが自分の考えを言葉にして相手に伝えています。小さいながらあの手この手で、伝えています。「答え」を知っている大人はついつい教えようとしてしまいがちですが、子どもたちが、心と体を動かして「不思議さ」と向き合っているその過程を、共に楽しみ、考え、試していけたら素敵だと思います。時に、失敗することも、間違ってしまうことも子ども達には大切な経験だと思います。

 畑でいちごを探す時にも同じような光景が見られます。採り放題ではなく、一日に一つか二つしか選ぶことができません。「もっと大きくてもっと赤いのを」と、今年初めて経験する子も、いちごを探す表情は真剣そのものです。探し始めた頃は、先生や先輩たちに、「ここにもあるよ~」と教えてもらっていましたが、今では一人でも探せるようになりました。来年はきっと名人になって、新しいお友達に教えてくれることでしょう。畑のいちごは太陽の日差しを浴びていて、とても温かくて美味しいですよ。お店で売られているパック入りのいちごではなく、畑のいちごを見ることで、いちごの花は白いことや、黄緑色で小さかった実が、だんだん大きく赤くなっていくことを経験しました。畑だけではなく、今、それぞれのクラスでも、みんなで話し合い、夏野菜や、花壇の花を植えて育てています。種から蒔いたクラスもあり、たっぷり水をやったので、種が土から顔を出してしまったグループもあるようです。「木の上に立って見る『親』」のように、もうしばらく様子を見守っていたいと思っています。どんな不思議を発見して、考えて、友達や先生と共有していくのか、とても楽しみです。