めばえ12月号より「もみの木のおはなし」 園長 原田京子
2021年11月25日
たくさんの木の中で、もみの木が、どうしてクリスマスツリーになったかお話しします。
ずっと昔、イエス様がお生まれになったのは、ベツレヘムの馬舎の中でした。
天の神さまは、世界中の人たちのために、イエス様をくださいました。 毎日、毎日、いろいろな人がイエス様を拝みに来ました。
馬舎のそばに3本の木が立っていました。3本の木もイエス様にささげものをしようと思っていました。
「私は、私の一番大きな葉っぱをあげよう。赤ちゃんをあおいでやわらかい風を送ってあげましょう。」と、ヤシの木が言いました。
「私は、私の油をあげよう。私の油をまくと、赤ちゃんのまわりは良い匂いでいっぱいになりますよ。」と、カンランの木が言いました。
「私は、何を赤ちゃんにあげたら良いでしょう。」と、もみの木が言いました。
ヤシの木とカンランの木は答えました。
「お前さんはダメだね。お前さんの枝はとげがあって、赤ちゃんをさしたら痛いよ。」
「お前さんの油はペタペタくっついて仕方がないね。」
「あなた方の言う通りです。私は何も赤ちゃんに差し上げる物を持っていません。」と、もみの木は悲しそうに言いました。
馬舎のそばにクリスマスの天使が立っていました。もみの木の言うことを聞いて感心し、かわいそうになりました。
だんだん暗くなって、空に星が出ました。天の使いは呼びました。「お星さん、お星さん、この優しいもみの木の上におりてください。」
「はぁい。はぁい。」と声がして、小さい星がピカピカともみの枝に飛んできました。ピカリ、ピカリ、たくさんの星が枝にとまりました。
もみの木はキラキラ光って「光の木」のようになりました。
その光が、サッと馬舎の中に差し込み、赤ちゃんのイエス様を照らしました。
イエス様は、パッと目を開けて、にこにことお笑いになりました。もみの木はうれしくてたまりませんでした。
それからずっと、クリスマスにはどこの家でも、もみの木を立てるようになったというお話です。
もみの木をクリスマスツリーとして立てるようになったのには諸説あると思いますが、良善幼稚園ではこのお話しを年長さんが発表して、
次の人達に伝え続けてきました。