先日、10月生まれのお誕生会をしました。10月生まれのお友達と先生、それに、9月にできなかったお友達も合わせた16人がステージいっぱいに並んで、お祝いをしてもらいました。プレゼントのペンダントをかけてもらって、みんなで歌を歌います。司祭様に祝福のお祈りをしていただいた後は、いよいよ「お楽しみ」の時間。担当の職員が、毎月趣向を凝らしてお祝いし、楽しいひと時を過ごします。その内容は、舞台を出しての人形劇や、ペープサート、また、寸劇や、手品、パネルシアター等々、多種多様な「お楽しみ」で、子ども達も毎月、楽しみにしています。

 その内容は、変わっても、変わらないものが一つだけあります。それは、始まりと終わりを告げる合図の役として登場する「おさるさん」です。♪お山の おさるは まりがすき~♪と、レトロな曲に合わせて登場、「りょうぜんようちえんのおともだち、こんにちは~‼」と、おさるさんの声が聞こえると、遊戯室の中をグルッと見回して、誰がおさるさんを演じているのか確認する年長さんもいます。先生達がしていることはわかっていても、どんどん「お楽しみ」の世界へ引き込まれていくみんなの横顔を見ていると幸せな気持ちでいっぱいになります。

 10月は「大きなかぶ」のパネルシアターでした。みんながよく知っている大好きなお話です。おじいさんが、かぶを抜こうと一つずつ抜いて、いよいよ大きなかぶを抜こうとするのですが、おじいさん一人では抜けません。「手伝っておくれ~」と、家にいるおばあさん、孫、犬、猫、ネズミまで呼ばれて、手伝います。次に手伝うのは誰かと心の中で答え合わせのように確かめながら見ていた子ども達は、「ここで抜けるはず」と思っていたのですが、なんと、抜けません。そこで、おじいさんは、「幼稚園のおともだち、手伝っておくれ~」と、みんなに頼むという予想外の展開に。ステージと子ども達の心が一つになって、「うんとこしょ‼どっこいしょ‼」の大合唱。やっと大きなかぶは抜け、子ども達も大喜びでした。

 さて、その「おさるさん」、今は、かわいいぬいぐるみのお人形ですが、以前は木彫りで色が塗られた頭に、♪あ~かい”べべ”着て、傘さして~♪の歌の通りに、赤い着物で、傘をさして、首には、日本手ぬぐいをまいていました。今のおさるさんより、何だかリアルで、本物に近い風貌でしたので、幼い子向きではなかったかもしれません。

 今年の開園記念日で、116歳になる良善幼稚園は、この春で、通算7652名の子ども達が巣立っていきました。途中で、お引越しをされた人も含めると、もっとたくさんの子ども達がお誕生会を楽しんで、おさるさんの登場にワクワクしてきたことでしょう。これからも、この「お楽しみ」に出てくるおさるさんは、良善幼稚園と一緒に子ども達の成長をずっと見守ってくれることでしょう。